アルバム『UNITY!』が発売になるまでの2年半の間、このCDの製作を多くの方々に賛同して頂くため、1997年からカセットテープにて無料配布した「MCDデモテープ集」。僅か10年余りの年月を経た現在のような、デジタル・オーディオ全盛時代から見れば、それはそれは粗悪な品でした。良好な音質など追求するべくもなし。しかしそれでも、そのカセットテープを聞いた大勢の方々からご好評頂き、CDへの期待が徐々に大きくなっていきました。粗悪品といえども予告編として、宣伝効果を大いに発揮したものです。なにか良さげなものが産まれてくる、そういう期待を多くの人々に抱かせたのはホントです。
この『Blue Prints』は1999年、MCDプロジェクトが“UNITY! Project”として再出発するにあたり、今後のプロジェクトに加わるであろう新たなメンバーへの「音の解説書」として企画されました。CD製作の終着点が『UNITY!』であるなら、その出発点はデモテープにある。言い換えれば“ビフォー/アフター”を知ることによって、プロジェクトの活動に加わり易くなるだろう、との音楽プロデューサーの一存で進められました。
アルバムに収録された賛美のデモテープをピックアップし、デジタル・リマスタリングを施して90分カセットテープ1本にまとめ、HP掲載のプロダクション・ノーツ(冊子も用意していた)と併せて聞くことで、デモテープが如何にプロデュースされてCDに“化ける”かを端的に知り、更にアーカイヴ・シリーズ#1『Road To UNITY!』で製作プロセスの歴史を補間し、この2本のカセットテープだけで2年半に及ぶ時間をザっと(僅かな時間で)で知ることができるようにしよう、というのが当初の目論見でした。
が、アっと言う間にそのプランは一転し、約90分で「UNITY!」の賛美の背景、プロジェクトの歩み等、プロジェクトの歴史のアウトラインを知ることができるよう、いんちきなラジオ特番風にDJ(音楽プロデューサー自身)が語り、抜粋でデモテープが紹介されるスタイルでまとめられました。
現在はカセットテープではなくAudio CD-R化(2枚組)されていますが、CD-R1枚に短縮された編集盤もあります。今後はいにしえのカセット・ウォークマンに触れずに育った世代にこそ、聞いて頂きたいものです。